TRIAL PROGRAM #3 2023/1/30-2/2

トライアルプログラム#3
テーマは「住む」
2023/1/30-2/2

今回も水先案内人が参加者をみちびきました。

2023年1月30日(月)第3回トライアルプログラムのスタートです。

今回の参加者は、日本に来て8ヵ月、川崎在住のインドネシアの方、仙台から来た二児の子どもがいる日本人。
季節的なこともあり、2名の参加となりました。

今回のテーマは「住む」。
第1回は「知る」第2回は「かかわる」というテーマでしたが、徐々に上越のことを知り、いろいろな人たちとのかかわりができてくると、もっと長く居たくなったり、知り合いができてその人に会いにきたり、だんだんと「住む」ことに興味がわいてくるのではないかという仮説のもと、豪雪地帯の民家を改装したロッジでの宿泊体験、高田の町中の町家・古民家の見学、そして最新の雪国暮らしのためのモデルハウスの見学をワーケーションスケジュールの中で体験していただくこととなりました。

そして、今回はインドネシア人の方がいるので、食事にも配慮をして臨むことになりました。
インドネシアの方は主にイスラム教なのでハラル(豚肉とお酒がNG)なため、あらかじめお店選びをしておかないと食べられるものがなくて困ってしまいので要注意です。

Day1  1月30日(月)

さらに今回は真冬開催。
ということで、前週に大雪が降ったこともあり、白銀の世界からのスタートでした。
まず、集合した上越妙高駅でブリーフィングした後、早速、車で40分ほど山に向かったところにある「ゆきさとロッジ」に向かい、そこでチェックイン。途中、翌朝の朝食を調達するために道の駅立ち寄り、郷土料理の笹寿司と総菜を買い込んでおきました。

参加者が2名ということで一階の共有スペースで仕事をするもよし、二階の個室でリモート会議に出席するもよし。山の中ではありますが、Wi-Fi環境もばっちりでテレワーワークには全く問題なし。

参加者曰く、これで近くにコンビニがあれば。。。といいますが、外に出れば氷点下、まわりは雪しかありませんので、しっかりと必要なものを買い込んでワーケーションに臨む必要がありますね。

Day2  1月31日(火)

2日は上越を「知る」ために一度山を離れて、高田のまちあるきからスタート。

天気はよかったものの、大雪のあとだったので雪を踏みしめながらのまちあるきとなりました。
今回もまた、まちあるきには水先案内人の打田さんに来ていただき、雁木の町並みを歩きながら、高田世界館、高田小町、旧今井染物屋などを見学しました。
インドネシアの方にとっては雪が町中にあるだけでも大興奮。
雪のない国から来た人にとっては「雪」が有効な観光資源となることがよくわかりました。

雁木の町並みを歩く
昔の染物屋で町家の作りを見る
焼きたてのみたらしだんごは大評判でした。

午後からは同じエリア内にあるbibitというコワーキングスペースでワークタイム。
ここの設備は新しいのですが、今回のもうひとりの参加者はリーダーとして同じチームの教育や人事関係の業務があるということでbibitに「個室環境」がないという点では多少不自由があったようです。

もう一点、国民の9割がイスラム教徒であるインドネシアの方は日課として「お祈りの時間」が必要。
Subuh(夜明け前)、Zuhur(昼12時頃)、Asar(午後3時頃)、 Magrib(夕方6時頃)、Isya(夜8時頃)の5回お祈りをしますが、その際に「お祈りする場所」がほしいとのこと。
こちらも基本的には「個室」が望ましいため、完全に隔離できる場所はWeb会議だけに限らず、とても需要が高いということになります。

Day3  2月1日(水)

この日は朝からの晴天で、ゆきさとロッジからの眺めはもう最高!
しかもこの日は雪遊び体験の日。
スノーモービルで雪の中を走り回れるというスペシャルな体験を用意してましたので、バッチリ楽しんでいただけました。真冬の豪雪地帯でのワーケーションは不自由も多いのですが、こんなにすごい観光資源があるならば、多少の不自由は許せるのではないかと感じております。

2歳の子どもと二人乗りができるようになったら「必ず来る」と藤本さん。
インドネシアのスライマンさん!夢だった雪中ダイブ!

スノーモービル体験のあとは、ロッジをチェックアウトし、地元の行列店「一郷庵」でおそばをいただいたあと、上越妙高駅に戻って、フルサットアップスのコワーキングスペースでワークタイム。
午前中の疲れも感じさせず、仕事に集中していました。

そして、夕刻は第1回、第2回でも好評だった上越市役所スタッフとの意見交換会。
当事業の観光庁コーディネーターの宮野さんも加わり、活発に意見を交わしました。

フルサットアップス コワークスペース
上越市役所観光交流推進課との意見交換会

真冬ならではの気づきとしては、「普段着で来てどこまで遊べるか」「ワーケーションで上越に降り立った時に、真冬の場合「防寒具、長靴」等のレンタルサービスが駅前にあるとうれしい。」
ムスリム(イスラム教徒)目線では、「イスラム教徒は平日はお祈り部屋さえあればいいが、上越にはモスク(寺院)がない」「ハラール認定の食べ物・お店を知らせてほしい」
など、この時期に来ていたただけたからこそ気がつくポイントが上がっていました。

Day4  2月2日(木)

最終日、午前中はフルサットアップスでワーク。

昼前に上越妙高駅から徒歩5分のところにある雪国住宅のモデルハウスを視察。
寒い雪国の冬を過ごすため、エネルギー消費を抑えるための様々な工夫が施された最新の住宅を視察し、家の中の快適さに参加者一同感心!山の中のロッジも素敵でしたが、この快適な環境でワーケーションできるならば町中もありじゃないかという感想をいただきました。

一般的に地域でのワーケーションといえば、古民家やリノベ町家のイメージが強いのですが、今回見学したモデルルームのような新しい住宅でのワーケーションも選択肢の一つとして非常に良いのではないかと実感。
このモデルハウスはしばらくお試し泊で一泊1000円という格安で利用できると聞き、皆さんなおさら興味津々。
新しい可能性を感じました。

最後にインドネシアの方からの感想。

今回のワーケーションで、上越市の冬の暮らしを経験できてとても良かったです。特に、雪を見て景色も雰囲気も体験も初めてだったので、とてもワクワクして参加しました。スノーモービルに関してはとても楽しくて、また機会があればもう1回したくなりました。ゆきさとロッジでの宿泊も雪国に住んだような体験ができ、とても良かったです。 上越市の名物の食べ物も全て美味しくいただくことができて良かったです。 コワーキングスペースに個別のスペースがあるともっと良くなるかなと思いました。 全てを通して、貴重な体験ができてとても嬉しく思います。

以上、3回にわたり実施したトライアルプログラムにおきまして得られた知見として、

■今回のトライアルプログラムで確認できたこと
・上越についての知見がなくても「かかわり」により地域に対する理解が進む。
・「交流機会」×「交流時間」×「交流人数」によりふるさと感覚は醸成される。
・地域に住んでいる水先案内人がワーケーション参加者と地域の人たちとのかかわりを作る。

■ワーケーション受入に関する課題の明確化
・Web会議等のための「個室」であることが明確となった。
・スーパーやコンビニなどで「ほしいものがほしい時に手に入る」ことが必要。

■ワーケーションコンテンツとしての「食」の重要性
・「食」に対する興味、地域ならではの「食」体験への対応必要性を認識できた。

「ワーク」と「バケーション」と分けた場合、基本的には会社または自宅と「ワーク」環境が悪くならないことが大前提で、そのうえに「バケーション」を楽しめることが大切。
とりわけ、「ワーク」と「バケーション」の切り替えは明確であればあるほど、メリハリをもって楽しめること。
「バケーション」が楽しければ楽しいほど切り分けが大事ですね。
希望としては時間刻みで入れ替わるのではなく、1日単位で「ワーク」と「バケーション」を切り替えたいという要望が高かったようです。
地域にとっても、そこが明確であれば、地域とのかかわりを強めるためのプログラムがより機能するのではないかと考えます。

事務局としては、次年度以降、今回のプログラムをさらにブラッシュアップして、法人・企業に「合宿型ワーケーション」として提案できる体制づくりを進めてまいります。

ご協力いただきましたクラスメソッド株式会社様ありがとうございました。

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