TRIAL PROGRAM #1 2022/11/14-17

トライアルプログラム#1
テーマは「知る」
2022/11/14-11/17

11/14(月)トライアルプログラム#1のスタートです。

開催場所は上越妙高駅西口駅前のコワーキング施設「フルサットアップス」
こちらに株式会社クラスメソッドより東京から3名、京都から1名のスタッフが到着。ワーケーション経験はほとんどなし。

実はクラスメソッドさんは同じ敷地内に4年半前からサテライトオフィス(クラスメソッド上越妙高駅オフィス)を構えていることから、普段から「フルサットアップス」の会議室利用、スタートアップイベントへの協力等、連携が進んでおります。その結果、上越市役所との連携にもつながり、サテライトオフィス誘致の先進事例として評価をされているという関係性にあり、今回のワーケーションモデル企業として参画していただくことになりました。

コロナ禍の中でワーケーションを社内制度化しており、サテライトオフィスを滞在地とするワーケーション利用スタッフも多い。今回のプロジェクトには全国にサテライトオフィスを有する同社の「地域とのかかわりづくり」というテーマがプロジェクト趣旨と一致したため、モデル企業として参画していただきました。

今回のスケジュールは以下のとおり。

ワークをしっかり行いながら、地域とのかかわりを作るトライアルプログラム

今回のプログラムでまず最初に要望があったのは「ワークの時間をしっかりと確保すること」。バケーションの間に仕事をするのではなく、せっかく普段集まることのないメンバーが東京本社から遠く離れた地で一緒に仕事をする機会でもあるので、しっかりとコミュニケーション補撮りながら仕事をする時間を確保するということを優先しました。

そして、大切にしたのが「地域とのかかわりづくり」

全国を渡り歩き、次々といろいろな地域で仕事をしながら旅をする、アドレスホッパーのように短期的な滞在ほ繰り返す、そんなライフスタイルの方はまだまだ少なく、実際にワーケーションを経験した人もまだまだ少ない。これが現状です。今回、受け入れ側の地域(上越)としては、知らない土地、知っている人がいない場所でワーケーション滞在をしたとしても「また戻ってくる確率が低いのではないか」という仮説から、積極的にかかわりを構築することで何度も戻ってきたくなる「ふるさとのような場所」にしてみよう。と考えました。

今回のテーマは「知る」

手はじめに「駅と宿泊施設の周辺を知る」ところからワーケーションプログラムをスタート。

画面中央が新幹線上越妙高駅、青丸のところがコンテナ商店街フルサット
Day1 「知る」ために大切な存在は「水先案内人」

これから4日間、一番長く過ごすところの周辺に何があるか?コンビニはどこにあるか?ドラッグストアは?駅には何が売ってるのか?周辺の観光スポットは?

ひとりでまち歩きをするのもいいですが、今回のプログラムとして用意させていただいたのが「水先案内人」。町のことを詳しく知っている住人がワーケーションで初めて来た町のこと、人のことをお話ししながら伝える係です。

今回の水先案内人は笹川さんと打田さん。

左が水先案内人打田さん
立っているのが水先案内人笹川さん

彼らが「日常的に過ごす上越のこと」は外から来た人にとっては「興味津々の非日常」。勝手知ったる自分たちの町のことを参加者の皆さんとコミュニケーションをとりながら4日間しっかりと付き添い、案内していきます。

初日は、自己紹介とプログラムの概要説明の後、駅とコワーク周辺のまち歩き。

上越は上杉謙信公で有名な春日山、桜の名所高田城址公園、新しくなった水族館「うみがたり」などの有名観光地がありますが、観光よりもまず先に4日間の滞在で一番気になるのが、仕事の環境。ごはん事情。

コワークでの通信環境、電源確保をすませた後は、コンビニやおみやげ屋さん、周辺のコワーク施設、飲食店チェックなど、90分程度散策するところからはじめました。

上越妙高駅から徒歩3分。窯蓋遺跡公園。

上越妙高駅の目の前にある窯蓋遺跡公園にみんなで立ち寄ったところ、親切なスタッフの方が館内を説明してくださり、少し予定時間オーバー気味となったところで、なんと最後に施設の軒先で作っている「干し柿」をお土産にいただきました。地元の人たちならではのホスピタリティとのこんないきなりのエピソードも生まれるのがまちあるきの楽しみの一つです。

1日目、まちあるきのあとは夕刻までお仕事タイム。
そして、クラスメソッドの上越オフィスとワーケーション参加者との間で社内交流会が開かれました。

Day2 2日目は高田のまち歩きで「上越の日常を知る」

2日目午前中もしっかりとお仕事。1日たった後ですから、すっかり仕事場のフルサットアップスの環境にも慣れていただいたようです。

午前中の仕事のあとはランチの時間も含めて鉄道で2駅先にある上越の中心地「高田」のまちの散策へと向かいます。目的は「上越の日常を知ること」と「上越の町の人たちと出会うこと」

午後からは水先案内人の打田さんとフルサットの平原さん(奥様)が参加者の皆さんとともに町を歩きました。

国内最古級の映画館「高田世界館」

雁木の町並みを保存展示している高田小町の見学

1年前にできたコワーク施設bibit
今回はフルサットアップス1か所でのワーケーション体験でしたが、プログラム期間中に複数個所で臨機応変に仕事をする時間を取るなどの対応ができればという要望もいただきました。

高田の町は古い町家だけでなく、100年以上続くお店がならぶ商店街も魅力の一つ。ちょっとのつもりで立ち寄った和菓子屋さんでご主人からの話が盛り上がりすぎてなかなかおみせから離れられなかったり、打田さんや平原さんの知り合いにところに立ち寄ったりして、水先案内人なしでは成り立たない貴重なかかわりづくりの時間が持てたと参加者の皆さんにはとても喜んでいただきました。

かかわりができることはその土地に興味を持つこと、その土地の人に興味を持つことにつながり、「また来たくなる」とか「次に来る人たちにお勧めしたくなる」ことにもつながるものだと思います。

派手な観光時間ではありませんが、こういった普段できない日常的な体験が増えれば増えるほど人と人とのつながりが強くなっていくことになるんだと実感しました。

市役所と事業者のかかわりづくりがとても盛り上がったこと

2日目の夕刻は上越市役所の皆さんとクラスメソッドの皆さんとの情報交換会。
クラスメソッドの事業案内からスタートし、人事担当者目線で地域における人材確保について、上越市役所のスタッフからは事業者が地域に進出するさいに地域に求めることなど、普段なかなか聞けない事業者の声、地域事情などを活発に意見交換し、終了のあいさつが終わってもまだ延々と話が続いていました。

市役所の皆さんにとってはなかなか東京の企業の事情を直接聞く機会が持てませんし、東京のIT企業が地域の人材事情を聴く機会もなかなかありません。双方にとってよい交流機会が提供できたと思いました。こういう機会があれば、次に会ったときにも気軽に話ができますし、さらに深い話へと進めやすくなる。
「かかわりづくりの大切さ」はこういうところにもあるのです。

Day3 3日目も午前中はしっかりと「ワーク」

上越の郊外を走り、上越の日常の全体を「知る」

午後からはジャンボタクシーを利用して、市街地めぐり。
1日目はコワーク施設周辺を知り、2日目は一歩足を延ばして上越の日常との出会い、そして3日目は上越の人たちが普段車で出かけているところ。
つまり、行動範囲を徐々に広げながら上越を「知る」ことにより、上越全体を語れるようにしたいという意図でスケジュールを組んだということになります。

2年前にできた「無印良品 直江津」のイートインスペースでランチ。

春日山城全体の総鎮守、春日神社に参拝

上越の食事情、お土産事情は水先案内人笹川さんから。

道中では車でしか行けないロードサイド店の事情も見学したのですが、一番人気だったのが、地元スーパーの見学でした。

スーパーマーケットは地域を映す鏡ですから、東京や京都から来た参加者にとっては、「いろいろな違い」を見つけるだけでも大興奮。そこで見つけたレアな商品や食品買って、夜の交流会でみんなで食べるというのも楽しみの一つとなりました。

<3日目夕刻 地元大学との交流会>

クラスメソッドがIT企業であることもあり、IT人材の育成についてのやりとりがなされました。上越教育大学の学生からはIT技術については「技術家庭」の範囲で学校で教えるには限界があり、学校内だけでない、外部のサポートが必要という意見があり、教える側の先生としても企業、地域とコラボするという土壌はなく、クラスメソッドのようにサテライトオフィスを持った企業に対する期待感の大きさを示しました。教育の現場のみなさんがITによる世の中の変化、価値観の変化が目の前で起きているということを実際にIT部門で先端を走っているクラスメソッドと出会うことにより、肌身で感じていたという印象が残りました。

普段出会うことの少ない教育者とIT企業との間での交流会開催による「かかわりづくり」については、地元の教育者にとって大きな刺激になったようです。

Day4 上越を「知る」ことで見えてきたこと

4日間をかけて、「知る」をテーマに上越を体験していただきました。

4日目は午前中ワークの後、総括のディスカッション。

派手な観光はあえて差し控えて、ワークを快適にするために、上越という地域を知り、上越の生活を知り、上越の人を知る。そして、地域の市役所の職員との会話や大学教授との話、地元大学生との交流を通じて、新たな出会いを体験する。

これは単にワーケーションである町を訪れ、1週間、1ヵ月滞在してもなかなかできない体験ではないかと思います。

気がつけば参加者全員が「結構な上越事情通」になっていたりするのです。

この参加者の皆さんはきっと上越にとっての貴重なインフルエンサーになっていただけるでしょうし、機会があればきっと戻ってきてまたワーケーションをしていただける方たちになっていただけたのではないかと思います。

「知る」ことは地域になれること、情報を持っていると精神的なハードルはグンと下がります。「知る」ことでもっと上越を「知りたい」気持ちになるようなプログラムになるよう、今回の参加者の皆さんの声に真摯に耳を傾けて次回のトライアルプログラムに備えます。

ワーケーションに必要な条件を聞いてみたら朝ごはんのポイントが高かった件

今回のトライアルプログラム終了後のアンケートで一番想定外だったのは、「今回のトライアルプログラムを経て、ワーケーションに必要と思われる要素は満たされていましたか?」という問いに関して、「朝ごはん」のポイントが高かったこと。

アパホテルに宿泊していましたので、毎朝アパホテルのレストランの朝食を食べていたと思うのですが、昼よりも夜よりも朝ごはんの評価が高いというのが意外でした。朝から気合を入れるためにも結構大事なポイントなんでしょうね。

課題:コンビニ、スーパーなどの「ライフ」の充実、そして個室ワークの必要性

上越妙高駅周辺の課題はコワークの施設はありますが、スーパーが近くになく、ドラッグストアがスーパー代わりに存在しているところ。コワークの課題としては、今回の参加者全員が人事関係の業務だったことから、コワークだけでなく、個室での打ち合わせが必要なケースがあり、個室の数が不足してしまったという結果もありました。

コンビニやスーパーのような日常生活や仕事を円滑に進めるための「ライフ」の要素、そして、臨機応変に仕事をすすめられる個室ワークスペースの確保など、「ワーク」を充実させる要素が求められていることもわかりました。

4日間のトライアルプログラムお疲れさまでした。

次回のテーマは12/12~15トライアルプログラム②「かかわる」です。